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個展開催中の稻葉朋子さんにお仕事についてなどいろいろお聞きしました!

イラストレーターとして活躍されている稻葉朋子さん。イラストだけに留まらず、版画や映像、WEBデザインなど多岐にわたる表現活動をされている稻葉さんに、現在に至るまでの紆余曲折や、11月より始まる個展についてインタビューさせて頂きました。※稻葉さんの作品はPictboxでもご覧いただけます。

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―― 稻葉さんは美大を卒業されていますよね?

稻葉 はい。でも学生時代はほとんど絵を描いていませんでした。入学してすぐ演劇に夢中になってしまって(笑)。それで演劇サークルに入って、そこから演劇一色の生活になりました。入学当初は実家に住んでいたので、通学に往復5時間くらいかかっていたんです。なので、それ以外の時間はほとんど演劇に費やしていたと思います。あまりに講義に行かないので友達からは「不良」と呼ばれてました(笑)

―― 冒頭から意外な経歴ですね(笑)。演劇漬けの学生時代から、現在のイラストレーターとして独立するまでの経緯はどのようなものだったのでしょうか?

稻葉 学生の時はとにかく演劇をやりたかったので、早々に就職活動して内定まで貰って、またすぐに演劇に戻っていました。卒業式の前日まで舞台に立っていましたから(笑)。最初に就職したのはアパレル企業だったのですが、デザインやイラストとは関係なく、販売部門に配属されました。本当は販促部に行きたかったんですが、結局3年間店舗での販売を続けましたね。

―― その頃は演劇の世界からは遠ざかっていたのですか?

稻葉 いえ、その間もずっと演劇には携わっていましたよ。学生時代は役者として舞台にも立っていたのですが、就職後は役者は辞めて、美術中心に関わっていました。その時期に初任給でMacを買ったんです。そこからイラストレーターなどのソフトウェアの使い方を独学で学んで、衣装から舞台のデザイン、チラシの制作まで演劇に関わる様々なデザインをするようになったんです。徹夜で制作して、昼間は販売員として店に立ちながら半分寝ているような生活をずっとしていましたね。

―― 凄いパワーですね!でもそこまで夢中になった演劇からデザインやイラストの世界に軸足が移っていったのは何故でしょうか?

稻葉 ちょうど3年間販売をやった後に、友達の紹介でデザイン会社に転職したんです。でもその頃はまだ演劇とデザインのどちらを取るか、凄く悩んでいました。ただ頭のどこかで「自分は最後は絵を描くんだな」という事は考えていて。演劇は「今しか出来ない!」という想いでずっとやっていたのですが、イラストやデザインは一生かけてやるものかな、という気がしたので、最終的に今の方向を選びました。

―― しばらくはそのデザイン会社で仕事されたのですか

稻葉 そのデザイン会社は凄く居心地が良かったので、結構長くお世話になりました。その後様々な会社でデザイナーとして働いて、辞めてからもフリーランスで仕事を請け負ったり、派遣で働いたりといろいろな経験をしました。

―― その頃はイラストレーターとしての活動はされていなかったのですか?

稻葉 イラストは常に描いていましたが、イラストレーターとして独立する勇気はありませんでした。色んな事を経験していましたが、やはり絵は本気で描いていたので、否定されたら逃げられない、という想いがありました。絵を仕事にするのは怖かったんです。

―― 何らかのかたちで作品を発表する事はされていましたか?

稻葉 仕事とは関係のないところで、アーティストとしては個展をやったりしていました。グラフィックデザインやWEBデザインを仕事でやりながら、並行してアーティストとしての作品を発表していました。

―― そんな状況から、イラストレーターとして報酬を貰って描くに至るターニングポイントはどのようなものでしたか?

稻葉 中島美嘉さんのお仕事をしたのが大きな転機になりました。Twitterに自分のイラストを投稿していたのですが、友達がリツイートしてくれたのをたまたま中島美嘉さんのスタッフの方が見て下さって。彼女のデビュー10週年記念Liveツアーの書籍のカバーイラストを担当させて頂きました。この仕事で迷いが吹っ切れましたね。

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―― 現在はイラストの仕事が中心なのでしょうか?

稻葉 デザインの仕事もまだやっていますね。週1日はデザイン、残りでイラストレーターとしての仕事をやっている感じでしょうか。イラストの仕事だけだと、一人で籠もってしまうんです。デザインの仕事だと決まった時間に成果を出さないといけないので、生産性という意味で鍛えられるし、良い気分転換になっていると思います。

―― Pictboxを始めとして、アーティストとしてのネット活用法を教えてください。

稻葉 私自身は営業手段としてネットを活用しています。海外のアーティストの作品を観て、国内との違いを観るのも好きです。ネットが無い時代にはこんなに簡単に海外アーティストの作品を観ることなんて出来なかったと思うので、利用しない手は無いと思います。

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―― ご自身のホームページも運営されていますよね?

稻葉 更新は少ないですが、ホームページ経由で仕事が来ることが多いです。仕事とは関係なく、個人的に描いた作品を観て結果的に仕事を依頼してくれるケースもちょいちょいあります。そういう場合は予め私の作品を観てから問合せて頂いているので、仕事になってからもイメージのズレが無くやりやすいです。

―― 11月から始まる個展について教えてください。

2015年11月2日(月)~11月7日(土)まで、東京・青山のピンポイントギャラリーで個展を開催します。今回は奥行きのある作品が作りたくて、即興でイラストを書いて、切り抜いて、ポンポン置く。そんな風に作った紙の立体シリーズの作品を約25点、それに過去の書籍のお仕事で描いた原画を数点展示します。

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「個展」というと入り辛い印象を受けるかもしれませんが、わたし自身はとっても楽しみながら準備をしています。なので、個展にお越しいただく方にも気軽に来ていただいて、楽しく見ていただければうれしいです。

―― 今後はどのような活動を予定されていますか?

稻葉 今年になってわたしの作品を見た海外の方からお問い合わせをいただくようになりました。もともとフランス映画の雰囲気や、ヨーロッパの文化が好きなので、チャンスがあればどんどん海外に出てみたいです。あとは、インスタレーションとか、長めのアニメーションも撮りたいです。

―― 今後もいろいろな活動をされていくのですね。

稻葉 はい。アーティストとしてこれからも制作活動をしていくと決めていますので、いろんなことをしていきたいです。個展でも新しいことをしているので「楽しくて胃が痛い」くらいです。(笑)

―― 今後の稻葉さんの作品がとても楽しみになりました。今日はありがとうございました。個展で作品を見せていただくのが楽しみです!

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稻葉朋子「新しい」展
場所:ピンポイントギャラリー(WEB)
期間:2015年11月2日(月)~11月7日(土)
時間:11:00~19:00(最終日17:00まで)
所在地:東京都港区南青山5丁目10−1 二葉ビル B1F(表参道駅より徒歩3分)
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